初めまして、元航海士のkazuです
本記事では航海士に必要な英語力の高さがわかります
※外航船の航海士に限った記事になります。私の経験に基づく独断と偏見による目安です。
結論、TOEIC400点の英語力があれば全く問題ないです
いやいや、嘘でしょ
外航船だから乗組員も外人だし、メールとか電話のやりとりも基本的に英語なんだからネイティブレベルの英語力が求められるんじゃ…
本当です!
私の経験上、仕事で重大事故を起こさず、外人乗組員と仲良く生活するために必要なレベルはTOEIC400点程度で十分です
確かにネイティブレベルの英語力はあるに越したことはありませんが、中学レベルの英語で十分だと思います
外航船では船内の公用語が英語なので、私も入社前はビクビクしていました
英語圏への留学経験はありませんし、英語で誰かと仕事をした経験もありませんでした
ちなみに入社時はTOEIC410点でした
今回はそんな私が、航海士が必要とされる英語力はTOEIC400点程度だと自信を持って言えるかを説明します
航海士に必要な英語力はTOEIC400点程度
TOEIC410点の私が感じた航海士に必要な英語力とは?
なんでTOEICスコア?
TOEICで目安を出した理由
昇進するためにはTOEICのスコアが必要だからです
会社によって異なりますが、三等航海士→二等航海士→一等航海士→船長に昇進するためには一定レベルのTOEICスコアが必要になります
例えば
A社では三等航海士から二等航海士に昇進するためにはTOEIC400点が必要で、B社では500点必要といった具合です
従って、残念ながら昇進するためにはTOEIC400点以上取る必要があります
TOEICのスコアが足りずに昇進できない人も中にはいました
将来的にはTOEICの勉強をして高スコアを取る必要があります
ちなみに私は入社時410点でしたが、退職する頃には800点を超えました
気になる勉強法は次回以降紹介していこうと思います
ただ仕事をする上で必要な英語力はTOEIC400点程度で問題ないです
私hsデビュー船(1隻目)は仕事自体がわからず苦労しましたが、2隻目から英語で不自由をしたことは無くなりました
この時はまだ英語の勉強をしていなかったので、英語力は入社時と変わっていませんでした
では実際どれくらいの英語力が必要なのか紹介していきます
実際に必要な英語力とは
中学レベルの英語を話すことができれば全く問題ないです
以下私の体験談になります
入社当時は間接代名詞やマニアックな単語を用いた高度な英会話をする必要があると思っていました
例えば喫煙エリアの椅子の掃除をお願いするときなどは
Could you do me a favor? I want you to clean the smoking area and if you have some time, wash the chairs there as much as you can
のように長ったらしい文を考えてから伝えていました
私の経験上、これくらいの長文になると一発で伝わりません
理由は、拙い発音による長文ほど理解しづらいことはないからです
デビュー船は英語を考えてから話していたため、聞き手の気持ちをあまり考えていませんでした
今ならこう伝えます
Please clean smoking area. After cleaning, please wash the chairs at smoking area.
だいぶ意味合いが変わってきますが、部員の経験値はデビュー船の私より遥かに高いです
この程度の英語を確実に伝えれば、ある程度は察して仕事をしてくれます
※実際、三等航海士の独断で部員に指示を出せる仕事内容に複雑なことはないです
仕事内容によっては、より詳細を伝える必要があるケースが出てきます
その時は絵を描いて伝えることをお勧めします、これには英語力は必要ありません
一等航海士以上になると部員を管理する立場になるため、具体的な仕事内容を説明する必要があります
ただどの一等航海士も使っている英語はシンプルで、非常にわかりやすかったです
この差は何かを考えたところ、仕事内容をどこまで熟知しているかだと思いました
仕事の説明をシンプルにできないということは、自分がその仕事を正確に理解していないからだと思います
まずは自分が船内の仕事を熟知することが重要です
雑談で必要な英語力
仕事で求められる英語力と雑談で求められる英語力は大きく異なります
雑談に関してはノリと勢いで十分です
三等航海士だと雑談力の方が大事かもしれません笑
船の仕事を熟知していない三等航海士にとって、外人の部員が身近にいる頼れる先輩です
私個人の意見になりますが1日でも早く仲良くなって、部員の現場作業を教えてもらった方がお得だと思っています
現場作業を教えてもらえば指示も出しやすくなるので、仕事もスムーズに回るようになります
具体的な雑談例
具体的にどのような雑談をしていたか紹介します
アジア圏の人は日本のアニメを知っている割合が高いと思います
例えばスラムダンクやナルト、ワンピースなど
こういう共通の話題を流暢な英語で話せたらカッコイイですが、私の場合はこうです
Did you read latest “one peace”?
Zoro was so cool “ittoryu sisisonson” zubaa guaaaaaa
みたいに適当です笑
初めのうちは身振り手振りを交えて効果音を言っておけばコミュニケーションがとれます
英語に慣れてくれば少しずつ会話ができるようになり、新たな会話の糸口を見つけることができます
おすすめの英語
私が仕事で多用していた英語を以下にまとめます
- want to
- do you mean ~ ?
- as soon as possible
- not yet
- almost
- already
- always
- usually
- same
- nice
- good
- great
- I’m not sure
- Could you
- can
- will
- be going to
- before
- after
- 5W1H(When, What, Where, Which, Who, How)
- say again
などなど
私が仕事をする上で重要だと感じたのは
仕事の進捗状況はどうなのか、仕事内容はわかっているか、現在の状況はどうなっているか
これらをミスリードなく伝えられるかです
その上で最も重要なのが、自分の言葉でもう一度確認することです
ミスコミュニケーションで事故が起きることが多いため、会話内容の確認が最も重要だと思います
上記のリストの英語を使えばほぼ仕事でミスが起こることはありませんでした
私は会社内で平均より早い速度で二等航海士に昇進したため、それなりに信用度は高いと思います
これから入社する人や、英語ができなくて不安な人はぜひ参考にしてください
まとめ
航海士が仕事で使う英語力は中学レベルで問題ないです
会社によって異なりますが、TOEICのスコアは昇進のために必要であって、400点程度取れる人は自信を持って仕事に臨んでください
雑談で使う英語はノリと勢いがあれば十分です
そのうち英語に慣れてくるので、徐々に会話の糸口を見つけていけるようになります
英語力に自信がないから外航船の航海士を目指すことを諦めている人は、勿体無いです
高年収でまとまった休日も手に入れることができる職業はこの世に数少ないです
英語に関しては必ずなんとかなるので、上記おすすめの英語を参考にしながら頑張りましょう
コメント