【衝撃の90連休】外航船員の長期休暇の長所・短所

初めまして、元外航船の航海士のkazuです
本記事では外航船員の長期休暇のメリット・デメリットがわかります

ところで、外航船員の働き方を知っていますか?
週休2日で祝日があるような働き方ではありません

このブログを見にきてくれているみなさんはご存じかもしれません

時代と共に働き方が変わってきていますが、2022年現在では4-6ヶ月乗船して2-3ヶ月休むというのがメジャーです

つまり最長で90連休ほど手に入ります

日本においてこのような長期休暇を取れるのは、大学時代が唯一ではないでしょうか

しかもお金も時間もある長期休暇なので、やりたいことはし放題です

しかし物事は表裏一体、メリットがあればデメリットもあります

今回は私の経験から感じた、長期休暇のメリット・デメリットを紹介していきます

長期休暇のメリット【3選】

1.趣味に没頭できる

これが一番のメリットだと思います

90連休もあれば、海外に1ヶ月以上滞在することも可能ですし、国内でも好きな場所に旅行できます
それに大学時代と違って、豊富な経済力があります
クレジットカードの請求が月100万円を超える人もいますが、それでも尚、お金が余ってしまいます

小さい時からずっとやりたいことがあったけど資金力がないから出来ない…
などお金と時間がないことが原因でできなかったことが出来るようになります

私の周りだと
・セスナの免許を取った人
・1ヶ月以上海外を放浪した人
・日本縦断した人
・プラモを極めた人
・DIYで家具を作りまくった人
・毎日映画を3本以上見ていた人
・ひたすら歓楽街でお金を落とした人
・毎日パチンコ・スロットに通った人
などたくさんいます

私が独自でアンケートをとってみたところ以下のようになりました

航海士16人に聞いた、休暇中何にお金を使ったか(kazu調べ)

船内では、休暇中何をしていたかを聞かれることが多いです
コロナ禍以前はほとんどの人が海外旅行に行っていたので、話を聞きながら次に行きたい国をリストアップしていました
旅行やアウトドア、スポーツが好きな人は外航船員を目指してみてはいかがでしょうか…?

ただ残念ながら休暇中にも関わらず会社の研修が入る可能性があります
事前に海外旅行に行く時期や予定を担当者に伝えておけば、ある程度考慮してくれる可能性がある(会社によって異なります)ので、早めに計画を立てた方が休暇をより満喫できるかもしれませんね

2. 友達と遊び放題

上記の「趣味に没頭できること」と少し被りますが、友達と遊び放題です

朝まで飲み明かして目覚めたら夕方で二日酔い、のような生活をしても何も問題ないです

私の周りでは
・大学時代には行けなかったようなお洒落なバーでしっぽり呑む
・友達と日本全国をツーリングで周る
・有名テーマパークでお金を気にせず遊ぶ
・大学を卒業してから離れてしまった友人に会いに行って遊ぶ
・沖縄や北海道などの観光地に現地集合して観光をする
・友達と電車で全国を周る
・友達とひたすら釣りをする
などしている人がいました

休み期間中は気が向いた時に友達に声をかけて、やりたいことができます

3. 何もしなくても罪悪感がない

一般的なサラリーマンとは違い90連休なので、何もしない日があっても罪悪感はないです
週休2日の生活だと、貴重な休みの1日を何もしなければ後悔は大きいはずです

私は下船してすぐは、死んだように眠り続けています
船では心の底から気を許して爆睡できないので、飽きるまで寝ます

大体3日くらい眠り続けたら活動し始めます

実はこの眠り続けている時間も給料が発生しています
なんと休暇中も給料が支払われるのです

基本給のみになるため乗船中よりは給料が下がりますが、毎日が有給という感じです

これなら何もしない一日があっても精神的ダメージは少なくなりませんか?
私はむしろウキウキしながらぼーっとしていました

中にはほとんどの時間をゲームに費やして、あるゲームの世界ランカーになった人もいました
私も一回真似してみましたが、1週間ゲームしかしなかった時には罪悪感というか喪失感に襲われました

話は変わりますが、就職活動をしているとき会社の説明会で話を聞くと、大体旅行やスポーツなどの話をしてくれた記憶があります

ただ一定数の人は何もしていないということも覚えておいて損はないです
自分に合った休日の過ごし方をすることが一番の幸せだと思います

船乗りは何もしていなくても給料がもらえますからね

働かなくても給料がもらえる経験は、船乗りか経営者・投資家しかできないのではないでしょうか
リスクなしでこの経験ができるのは非常におすすめです

長期休暇のデメリット【3選】

1. 意外と有効活用でず、不完全燃焼の気分になる

友人や知人、恋人と休暇が重なりません
つまり遊ぶとなっても土日祝しかないので、結局平日は一人で過ごすことが多いです

一人で時間を有効活用できる人には全く問題ないことですが、私のような友達がいないとダメな人種には結構キツイです

ここで私独自の性格診断を行います

あなたは昔から行きたい場所に行くチャンスを手に入れました
北極でも北欧でもアフリカでも南米でもどこでもです
費用はタダです

Q. 一人でも行きますか?

「はい」を選択したあなたは、一人でも時間を有効活用できるタイプです
おそらく熱中できる何かを持っていて、それをするために困難に立ち向かえる人でしょう

「いいえ」を選択したあなたは、友達がいないとダメなタイプです
一人でも楽しめるが、友人と様々な経験をすることに楽しみを見出す人でしょう

私は後者です笑

これを踏まえてアドバイスです
船員にとって長期休暇は最大のメリットの一つですが、周りの友人・知人は平日に働いているということを忘れないでください

会社説明会などでは旅行し放題など言われますが、行く相手を捕まえることが難しいことを忘れないでください

2. 生活レベルが飛躍的に上昇する

90日の休みの間に使えるお金が200万円以上あるので、生活レベルが飛躍的に上昇します

生活レベルが上がること自体が問題なのではなく、一度上がった生活レベルを下げることが難しいことが問題点です

このことは、ひろゆきさんの著書「1%の努力」やFIREの生みの親であるヴィッキー・ロビン+ジョー・ドミンゲスさんの著書の「お金か人生か」などでも書かれている通り、明白な事実です

私の友人には毎晩のように銀座などに繰り出し、高級寿司や鉄板焼きを食べている人もいます
そのせいか、その人は居酒屋など行っても昔より幸福を感じづらくなったと言っていました

質問者様
質問者様

船に乗ったらすぐお金が貯まるから、生活レベルが上がっても問題ないのでは?

kazu
kazu

いえ、残念ながら問題があります
外航船員は大体3年間隔で海上勤務と陸上勤務を繰り返します
つまり、陸上勤務になった途端に給料が下がってしまうのです

陸上勤務になると一般的なサラリーマンと同じ給料になるので、海上勤務の時の半分程度になります…
それに加え家賃や食費などの生活費がかかるようになります

給料は半分になるのに支出は倍以上になるという生き地獄です

私も含めて陸上勤務を経験した船員は口を揃えて陸上はキツイと言います

貯金が1000万以上あった先輩も3年後には100万円以下になっていました
やはり一度上がってしまった生活レベルを下げることは難しいことだと思います

3. 何もしないと憂鬱になる

メリットで書いた「何もしなくても罪悪感がない」と矛盾してしまいますが、何もしない日が続くと憂鬱になります

憂鬱になるまでの思考プロセスです

1-3日; 何もしなくて給料が出るって最高、気持ちいい!
4-7日; 一日中ゴロゴロしているのも疲れるな、気持ちが晴れない
8日以降; なんのためにキツイ思いをしてお金を稼いできたのだろうか、何もしないならお金をたくさん稼ぐ必要がないじゃん…船乗るだけの人生は嫌だ…

実際に私が陥った例です

うまいことリフレッシュができないと、次に船に乗るためのモチベーションが一切湧きません

友人と予定が合わず遊べない状況が続くと、気晴らしをしなければという焦りが出てきます
この焦りを感じることも憂鬱で、1日の終わりは清々しくないです

まとめ

外航船員の働き方の魅力の一つが長期休暇です
長期休暇にはメリットとデメリットがあります

  1. 趣味に没頭できる
  2. 友達と遊び放題
  3. 何もしなくても罪悪感を感じない
  1. 意外と有効活用できず、不完全燃焼になる
  2. 生活レベルが飛躍的に上昇する
  3. 何もしないと憂鬱になる

それぞれを踏まえた上で、外航船員を目指してほしいと思います

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